為替ヘッジについて
個別の投資信託の情報を閲覧していると、「為替ヘッジなし」や「為替ヘッジあり」の文章を見かけると思います。
これは大変重要な情報です。
基準価格や利益に大きな影響を受ける事柄だからです。
為替ヘッジとは
為替ヘッジとは、為替差損が出ないようにヘッジを行うことを言います。
例えば、100万円使って「100円/US$」で米ドルを1万$買ったとします。
すると、90円/US$になった時に10円/US$ぶんの含み損が発生します。
(その時点で投資信託を解約すれば、損失が発生します)
そこで、100円/US$で米ドルを購入するときに、あらかじめ100円/US$で円と交換する約束(ヘッジ)をしておきます。
すると、円と米ドルの相場が90円/US$になっても含み損がでなくなります。
これが為替ヘッジと呼ばれるものです。
為替ヘッジをしない場合
100万円を100円/US$で 1万US$に交換
↓
為替が90円/US$になる
↓
1,000US$の含み損が発生する
為替ヘッジをした場合
100万円を100円/US$で 1万US$に交換
(100円/US$で円と交換する約束(ヘッジ)をしておく)
↓
為替が90円/US$になる
↓
含み損が発生しない
為替ヘッジの問題点
為替ヘッジを入れておけば、その分損失が出るリスクを減らせるわけですから、ものすごくよいものに見えますが、これには落とし穴があります。
それは、為替ヘッジをするための「コスト」です。
このコストは、短期金利の金利差の分だけ発生します。
つまり、日本の短期金利が1%でアメリカの短期金が5%だとしたら、4%のコストがかかることとなります。
このコストは、債券型の投資信託の場合、特に重荷になる可能性を秘めています。
外国の債券に投資するのは、主に魅力的な金利や為替差益を目指して行うわけですから、為替ヘッジのコストでその分が調消しされてしまうと、魅力が半減してしまうのです。
(国の信用力が安定していて、国内の金利が高い場合は国内の預貯金に預け入れすればよいわけですので、そういった場合は海外の債券型投資信託を利用するまでもないかと思います)
ただし、海外の株式投資を行う株式型の投資信託など、為替ヘッジのコストが充分に消化できてしまう場合は、為替ヘッジを行うのもありなのかもしれません。
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